岡山県の伊原木隆太知事は30日、8月の台風7号による大雨で被災した同県鏡野町の奥津温泉などで現状を視察した。
温泉街では、吉井川の増水により川沿いの旅館や浴場など5施設が被災し、4施設が営業再開にこぎつけた一方、観光名物の足踏み洗濯場は東屋や足場が流失し、土砂を撤去した洗濯小屋もまだ使用できない状態。
同行した山崎親男町長が被害の詳細を説明し、「災害に強い観光施設にする工夫が必要だと思う。一日も早い復旧、復興に向けて協力を」と要望した。
この後、同町上斎原で橋桁の一部が崩落した町道の大石大木山橋、鳥取県境辰巳峠で幅約80メートルにわたりのり面が土砂崩れした国道482号(現在仮復旧)の状況も見聞きした。
伊原木知事は「実際に目の当たりにして改めて水害の恐ろしさを感じた。美作三湯のひとつでもある奥津温泉、インフラも重要であり、町と共に復旧を進めていきたい」と述べた。
台風7号が襲来した8月15日、県北部では線状降水帯が発生し、同町上斎原で日降水量が県内観測史上最多の530.5ミリを観測。町によると、町管理施設の被害額は約16億5000万円。道路や農業用水路、観光関連では奥津温泉のほか、大釣り温泉の源泉設備、恩原高原スキー場のゲレンデ、高清水トレイルの遊歩道も大きなダメージを受けている。