画家・吉行鮎子さん(34)=岡山市=の個展「迷える羊たちの衝動」が奈義町豊沢の町現代美術館で開かれ、現代人の抱える不安や孤独感を表現した異色作に来場者が見入っている。6月27日まで。
全日本アートサロン絵画大賞(2009年)、「I氏賞」奨励賞(17年)受賞など、シュールレアリスムタッチの作風が高く評価を受けている油彩の中から32点を出展。
顔が雲に覆われて何も見えなくなった女性が絶叫する「曇っている」、うずくまる人に見立てた草原に立つ人物が印象的な「変動するエモーション」、雪原にひとり投げ出されたかのような「予想外の出来事」など、どれも非現実的な世界観の中にうつうつとした心模様が漂う。
広島市の会社員女性(25)は「美しい色遣いと面白い発想が、人の心の闇を際立てているようで怖さを感じる」と話した。
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吉行さんの油彩に見入る来場者
吉行鮎子展 奈義町町現代美術館