「神輿(みこし)やだんじりが出なくても、祭りに参加させていただいている気分です」―。作州名物サバ寿しを製造販売する美園食品本店(里公文)の榎本正人専務(52)はそう話す。昨年同様、新型コロナの影響で祭りが軒並み中止になるなか、例年以上に注文が舞い込んでいる。
作州の秋祭りには欠かせない郷土料理。ピーク時は日に1000本以上作る人気商品だが、コロナ禍は収束する気配もなく「今年は祭り気分を楽しむ余裕はあるのかな」と不安に思っていたという。ところがシーズンに入るとどんどん予約が入り始めた。「秋祭りは神様と民をつなぐイベント。勇気をもらった感じです」。
自慢の寿しは近海の真サバを使用する。塩抜き、骨抜きをした身を独自の合わせ酢に1〜2昼夜浸して味付け。地元のうるち米ともち米をブレンドして酢飯にする。無添加にはこだわりがある。サバと酢飯を型に入れて押し、セロファンで包む。作業は午前1時ごろから昼ごろまで続く。
「今年のサバも例年通り肉厚で弾力があり、脂がしっかりのってとてもおいしい。家庭でゆっくり楽しんでいただけたら」
トレー入りは1個800円、焼サバ寿司、味噌煮サバ寿司、サバ南蛮寿司も人気。市内や県南でも販売されているほか直売、地方発送にも応じている。
問い合わせは、同店(℡573939)。
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手際よくサバ寿しをつくる榎本専務ら
名物のさば寿司 シーズン迎え例年以上の注文
- 2021年10月13日
- 食関連