兵庫県姫路市の彫刻家・北川太郎さん(48)の個展「彫刻のある人生」が24日、西今町のカフェ&ギャラリーNishiIma25で始まった。和室の空間と調和し、独特の雰囲気を醸し出す石のオブジェが来客たちを魅了している。7月6日まで。
北川さんは感情や精神といった目に見えない世界を形にする抽象表現を作風に数々の作品を発表。その技巧と独創的な表現は世界的にも評価が高く、今までに国内外の大会でさまざまな賞を獲得したほか、昨年はエルメス財団がフランス本国で出版した芸術書「Savboir&Faire LA PIERRE(石)」で紹介されるなど注目を集めている。
今回は過去作と未発表作品計34点を展示。風の軽やかさを表現したという白と灰色の大理石の色合いが印象的な「風の形」、丸みを帯びた植物を連想させる「化植」といった作品が並ぶ中、トラバーチン(石灰岩)で作った「コダイ(オオ)」「コダイ(オオヒ)」は、表面になめらかな曲線模様を彫りこんでおり、光の当たり具合によって白い材質に浮かび上がる陰影が美しく、目を引く。
北川さんは「人が手を加えることで石はあたかも魂が宿ったかのようにいろいろな表情を作る。作品の形にこだわらず、自由に想像を膨らませながら楽しみ、石とふれあってほしい」とPRしている。
