高田小学校=岡山県津山市=で8日、県郷土伝統的工芸品「横野和紙」の紙すき体験があり、5年生11人が地元に伝わる和紙作りの技術にふれた。
同校では地域の工芸に関心をもってもらおうと、製作工程や歴史について学ぶ授業を実施している。6に使う和紙作りに挑戦するほか、5年生は原料の一つ・トロロアオイを栽培するなどして理解を深めている。この日は県重要無形文化財保持者・故上田繁男さんから代を引き継いだ息子、上田手漉和紙工場7代目の康正さん(68)=上横野=が指導。
子どもたちは、木の枠に網を張った桁(けた)を持ち、水と砕いたミツマタなどでつくった紙料液に付けて引き上げた。「ミツマタの繊維がからまって紙になるのを意識してみて」などとアドバイスを受け、ゆっくりと動かして余分な水分を落として1枚を製作。その後破れないように道具からはがして乾かした。完成品は後日工作の授業で使う。
盛上結愛さん(10)は「しわができたりして、思ったように上手くいかない。きれいな紙を作るのは本当に難しいが、納得できる物ができた時はうれしかった」と話した。