国名勝・衆楽園(岡山県津山市山北)で6日、恒例の「松のこも焼き」が行われた。立ち上がった白い煙とともに焼けたワラの香りが辺りに漂い、春の到来を告げた。
こも焼きは虫の習性を利用した昔から伝わる害虫駆除方法。昨年10月下旬に園内のアカマツやクロマツ計80本に巻いたこも約100枚を一枚一枚取り外すと、中には越冬したカメムシなどが数匹潜んでいた。市観光協会の職員が池のそばに集めて点火。パチパチと音を立てて燃える中、園内を散策する人たちが興味津々な様子で早春の風物詩を見守った。
カメラが趣味で撮影に訪れたという福田幸夫さん(79)=小田中=は「こもを焼く様子を初めて見た。春を感じられる良い写真が撮れたと思う」と話していた。