岡山県津山市山下の津山郷土博物館で企画展「郷土の刀剣―Ⅲ」(同市主催)が開かれ、津山ゆかりの江戸時代初期から現代までの名品が愛好者らを魅了している。3月24日まで。
館蔵品と日本美術刀剣保存協会県支部会員らが保有する計23振りを展示している。
津山藩の刀工が手掛けた作品では、「兼景」の刀(1616年)や脇差、「細川正義」の刀(1845年)、「多田金利」の大身槍(県重文、1815年)などが並ぶ。
一方、現代刀は県重要無形文化財保持者の安藤幸夫さん(刀銘広清、福井)や、次男の祐介さん(刀銘広康)ら伝統技術を継承する刀匠たちが鍛造した作品。さらに、かつて津山松平藩が所有し平安時代、丹波国大江山に住む鬼の頭領「酒呑童子」の首をはねた伝説で知られる「童子切安綱」(国宝)の写し刀もある。
「刀身や装具にもそれぞれ個性があり、日本の職人技の極みを感じた」と会社員女性(30)。同館では「刃紋の特徴や姿の美しさとともに、趣向を凝らした鞘(さや)、柄巻き(つかまき)といった装具も含め、郷土ゆかりの刀剣の魅力にふれてほしい」としている。
午前9時~午後5時。月曜休館。入館料一般300円、高校・大学生・65歳以上200円。