地域のシンボル・作州民芸館 約30年ぶりの改修工事を記念し、リニューアルセレモニー開催/岡山・津山市

歴史・文化 作州民芸館で開かれたセレモニー=岡山県津山市で
作州民芸館で開かれたセレモニー=岡山県津山市で
         

 約30年ぶりの改修工事が実施された岡山県津山市の作州民芸館(国登録有形文化財)で5日、リニューアルセレモニーが開かれ、地域住民らが祝った。

 式典には、指定管理者の城西まちづくり協議会のメンバーや来賓ら計約60人が出席。嶋田哲士副会長が「住民や他から訪れた人たちに喜んでもらえるような町づくりをし、城西地区の核の一つでもあるこの場所の評価を高めて次の世代へとつなげていきたい」とあいさつ。

 続く講演会では、同館を設計した建築家・江川三郎八(1860~1939年)の生い立ちや手がけた建築物の特徴や魅力について研究会会員が語った。その後広場で「野菜と魚の市」が開催され、野菜や果物、花、パン、和菓子などを販売する出店が並び、買い求める客で大盛況。津山シティブラスの演奏や人力車との記念撮影も好評だった。

 津山市の下山起美代さん(95)は「どっしりとした重厚感のある建物にもどったと感じている。地域のシンボル、いこいの場所としてこれから先もずっと残ってほしい」と話した。

 改修は城西地区が重伝建に選定されたことから、その制度による文化財の修理事業の一環として実施。建物の屋根の修理のほか、外壁を灰色の漆喰(しっくい)で塗り直し、玄関扉を木製に取り替えるなどして、1920(大正9)年ごろの「土居銀行本店」の外装に復元した。現在、避雷針の接地工事が残っており、全体が完成するのは11月末の予定となっている。

式典後に開かれた野菜と魚の市
式典後に開かれた野菜と魚の市
1920(大正9)年ごろの外観に復元された作州民芸館
1920(大正9)年ごろの外観に復元された作州民芸館


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