ICTにおける人財の育成、新技術の開発と研究を支援する拠点「津山市IoTラボ」のイベントが24日、岡山県津山市の津山高専で開かれ、コンテストでは同校の学生たちが人工知能(AI)や仮想空間(メタバース)を活用して地域の課題解決をするアイデアを披露した。
ラボは、市やNTTドコモ、同高専など、産官学が連携して結成した「市IoTラボ委員会」が教育研究と地域産業の発展を図り、校内の図書館・総合情報センター1階のオープンスペースに2022年に設置。取り組みを推進しようと毎年、先端技術にふれる展示や体験会といったイベントを実施している。
昨年に引き続き行われたコンテストでは本科生と専攻科生の計9人が登壇。情報を分析して処理するといったAIの能力、ネット上で物や景観を再現できるメタバースの機能を生かして自動運転車両の配車、農作業の補助、観光PRといったサービスを行い、住みやすい街づくりやにぎわい創出、企業誘致につなげる企画を提案した。
同委員会メンバーが分析力、独創性、実現性といった観点から審査し、最優秀賞には「AI機能搭載のカメラで空き家を確認し、起業家たちとつなげて活用してもらう」といったアイデアを発表した情報システム系5年生の弘中護さん(19)が選ばれた。
弘中さんは「始めは何も思いつかず、苦労したが生成AIを使ったことで記憶の奥深くにあった考えを引き出して調べを進めることができた。上手に活用したことで賞が獲れたと思う。うれしい」と話した。