岡山県津山市の佐良山住民自治協議会が地域内から集めた「昔の農具」の展示会が8日、津山市の佐良山公民館で初めて開かれた。
佐良山地域は豊かな水が確保できるため古くから農業が盛んで、地域で使われていた農具を子どもたちに知ってもらおうと、各家庭に呼び掛けて集めた。6日には佐良山小の児童に見学してもらった。
農具は10戸から、戦前から昭和40年代まで使われていた約20点が寄せられた。脱穀用の千歯扱(こ)きをはじめ、手押しの中耕除草機、牛に取り付ける馬鍬(まぐわ)、足踏み揚水機の踏車、発芽した麦の芽に土をかぶせる土ふぐいなど。
穀物からもみ殻やごみなどを風を吹き付けてより分ける唐箕(とうみ)は保存状態が非常によく、いまでも使える状態。明治時代末に開発された足踏み脱穀機は現役で使用されているという。
同協議会歴史部会の金島征彦さん(81)=津山市=は「この地域は農業が盛んで、これらの農具は地域を支えてきた貴重な歴史遺産。これだけよく残っていたと思う。後世に残す取り組みにつなげたい」と話していた。
展示会は本年度佐良山公民館発表会の一環で行われた。