5年ぶりとなる「津山市文化功労者表彰」で、本紙に歴史小説を執筆した津山市山下の郷土史家、竹内佑宜さん(79)=元市観光協会長=が受賞した。地域に残る歴史資料の収集・研究に励み、数多くの書籍を執筆して先人たちの足跡を後世に伝えるとともに、市の観光振興や魅力発信にも尽力した功績がたたえられた。
竹内さんは大学卒業後、郷土史の研究に取り組み、津山藩士や作州ゆかりの文化人について丹念に調査。散逸が懸念される地域の貴重な資料を収集・保存し、2010年からは「作州維新文庫」を主宰して研究成果や収集資料を広く公開するなど、郷土の歴史や文化の継承に大きく貢献している。
09年から約10年間、市観光協会長を務め、市の歴史・文化と観光を結び付けた催しを企画・運営。蒸気機関車のJR津山駅前への移設と活用、13年の津山、加茂、勝北、阿波地域の観光協会の合併などにも尽力した。
表彰式は3日に行われ、市や観光協会の関係者らが出席。光井聡市長が「先人から受け継いだ歴史や文化を未来へつなぐことは、私たちが果たすべき大切な責任。その責任を長年の研究と実践で体現してきたことに深く感謝を申し上げる。今後とも豊富な知識と経験を生かして郷土の発展のために指導と協力を願いたい」と述べ、表彰状とメダルを贈った。
竹内さんは「約50年間、各所に足を運んで続けた郷土史の研究や、文化的な視点から観光振興に向けて取り組んできたことなどを総合的に評価していただき、身に余る光栄。協力していただいた方々に感謝し、今後もこの賞に恥じないように皆さんと一緒に頑張っていきたい」と喜びを語った。
文化功労者は条例に基づき、多年にわたって本市の社会、文化、自治、産業、その他の部門において顕著な実績を上げ、市政の進展や市民の福祉向上に特筆すべき功績のあった個人や団体を表彰するもの。1950(昭和25)年に初めて実施され、今回を含めて計73人、3団体が表彰されている。
竹内さんは、津山藩の剣術師範役を務めた武士・井汲唯一、津山藩と幕府や朝廷の間を取り持った国事周旋方の鞍懸寅二郎、古式泳法神伝流の第10世宗師・植原六郎左衛門、文人画家・広瀬臺山、幕末の歌人・平賀元義ら、作州ゆかりの歴史的人物の調査と顕彰に取り組んできた。
本紙では連載中の歴史小説 『江戸の絡繰 蕙斎異聞』 や 『青雲山河』『昇龍の譜〜岸田吟香と夢翔ける津山の人々〜』 を手掛けている。
