県は、ツキノワグマが冬眠に備えて荒食いする時期を前に、えさとなる堅果(ドングリ)類の豊凶調査結果をまとめた。今秋は奥山のブナやミズナラ、里山に多いコナラのいずれも並作という。ただ県内のクマは増加傾向にあるため、人里に出没する可能性もあるとして注意喚起している。
調査は、出没予測のために例年、9月上旬から中旬にかけ津山地域と勝英地域の山計35地点で実施。専門調査員が地点ごとに目安となる供試木10本の結実数を目視でカウントし、過去のデータと比較、判定した。山域により実りにばらつきはあるものの、おおむね平均的な状況とみられる。
県内のツキノワグマは増加傾向にあり、2020年末時点で推定生息数は前年比約1割増の337頭(中央値)とされる。今年寄せられている出没情報は9月15日現在、70件(昨年同期88件)。人身被害防止の取り組みとして、専門指導員による現地調査、要望に応じた出前講座を実施し、不要果樹の伐採やトタン巻きを勧めている。
県自然環境課では「脂肪を蓄えるこれから11月にかけ、より多くのえさを求めて活動する。山間部集落では生ごみを放置しない、登山やキノコ採りなどで生息域に入る際はラジオや鈴で存在をしらせるなど、対策をとってほしい」と呼びかけている。
堅果豊凶調査結果