若者の採用・育成に積極的で雇用管理が優良な中小企業を厚生労働相が認定する「ユースエール認定企業」に、岡山県勝田郡勝央町太平台で銅、黄銅などのパイプ製造工場を構えるパイプ専業メーカー・堺伸銅所(本社・大阪府堺市)が選定され、6日に認定通知書が交付された。
自社製品や広告に同認定マークを使用できるほか、労働局で重点的PRなどが受けられる制度で▽若者の採用や人材育成に積極的に取り組んでいる▽「人材育成方針」「教育訓練計画」の策定▽直近3年間に採用した新卒正社員らの離職率が20%以下▽月平均の残業20時間以下で法定外時間外労働60時間以上が1人もいない―などの計18項目の要件を満たす必要がある。
美作市林野の津山公共職業安定所美作出張所で交付式があり、犬飼真吾所長から通知書を受け取った嘉瀬井毅社長は「今後も従業員のみなさんとともに励み、成長していくという精神で取り組んでいく。ものづくりへの親しみを感じてもらえる体制づくりに力を入れ、一人一人の技術と会社の質を向上させ、どんな状況にも対応できるようにしていきたい」と話した。
堺伸銅所は1933年創業し、1999~2000年に工場を勝央町に移設した。現在の従業員数は35人(平均年齢34歳、うち女性13人)。審査基準となった2022~24年の間、新卒者以外で24~28歳の男性3人を採用。スマートフォンを活用した業務のデジタル化で働きやすさを実現させ、新入社員に対しては、教育訓練記録や計画を策定してPDCA(計画、実行、評価、改善)のサイクルを繰り返し、きめ細やかな指導で育て上げており、過去3年間の離職者が0人となっている。
ユースエール認定は職場での過酷な労働環境問題が課題に上がる中、求職者が安心して就職活動に励めるように2015年度から導入されている。県内では今回を含めて57社、このうち同美作出張所管内(美作市、勝央、奈義町、西粟倉村)では10社が認定を受けている。
