思い出をつなぎたいー。岡山県久米郡美咲町旭地域の住民の心に明かりを灯してきたイベント「キャンドルナイト旭」を6日、地元の高校生ら有志が5年振りにさくらまつり開催中の同町西川上の三休公園で復活させ、地域住民らがろうそくと夜桜の競演を楽しんだ。
「年に1回の地域の人が集まる憩いのイベントだった」。実行委員長の朝日塾中等教育学校高等部2年・岡本祥希さんはそう話す。毎年5月に旭町民センターで開かれていたイベントはコロナ禍で立ち消えになっていた。
「たくさんの思い出をつくってくれたイベントを次につなげたい」と岡本さんは小学生時代の同級生ら10人で実行委を立ち上げ、開催にこぎつけた。
今回はより多くの人に来てもらおうと、夜間のさくらのライトアップを行っている同公園を会場に選んだ。枯山水をイメージして、約1000個のタブレット型のろうそくを水を張ったプラスチックカップに入れて設置。覆う紙袋には旭保育園の園児にイラストを描いてもらった。
点灯式には青野高陽町長も駆けつけ、来場者が1本1本に灯をともしていった。日が暮れると幻想的な風景が浮かび上がった。午後7時には100発の花火を打ち上げ、夜桜とキャンドル、大輪の三重奏に来場者は時が経つのも忘れて見入っていた。
岡本さんは「最高の気持ち。大勢の人たちの協力のおかげ。来年につなげたい」と話していた。