親子で楽しめる大型農業体験施設「アグリカルチャー津山・美作の丘」=岡山県津山市=が31日に閉店。常連客らの惜しむ声が上がる中、47年間の歴史に幕を下ろした。
1973年4月に農園でモモの収穫やイモ掘りが体験できる場所として開業。1989年にバイキングが楽しめる風車小屋、1998年に講演や宴会、バーベキューができる「ガーデンパレス」が敷地内で建ち、県内外から利用する客が増えた。ローラースライダーやアスレチック、動物と触れ合える牧場は子どもたちに人気があり、多い時で1日約500人が訪れた。しかし、近年ではコロナ禍での外出自粛の影響により減少した。
創業から経営に携わっていた畝岡佐知子さん(71)は「開業当初は農業や経営、すべてが初めての試みで分からないことが多く、勉強しながらここまで来た。長い年月の中で出合えたお客様に感謝しています。」と昔を振り返った。常連客の水島幸江さん(59)は「緑の多く囲まれた良い場所で憩いの場であった。親子でよく利用していた思い出の場所だからずっと残して欲しい」と涙をうかべた。
今後は『Greenファーム津山』として焼き肉のタレなどの生産工場として継続していく予定。畝岡さんの娘・寺坂美香さんが代表取締役を務める。商品は県内のスーバーなどの店舗やネットで販売される予定。
p
風車小屋に訪れた客