企画展「原点回帰 聖地巡礼―荒川修作+M・ギンズ・岡崎和郎・宮脇愛子 H氏コレクションから―」が奈義町豊沢の町現代美術館で開かれ、同館ゆかりの現代アーティスト4人の遺作が来場者の注目を集めている。10月23日まで。
同館を設計した建築家・磯崎新さんのプロデュースで、常設展示作を手掛けた妻の宮脇愛子さん(1929〜2014)、荒川修作さん(1936〜2010)とマドリン・ギンズさん(1941〜2014)夫妻、岡崎和郎さん(1930〜2022)の作品約40点を岡山市のコレクターが出展。
宮脇さんの作では、常設のワイヤーアートの連続性やゆらぎを平面で表現した「うつろひドローイング」、油彩の自画像、金属製のオブジェも目を引く。荒川さん夫妻の作では、銀地にモノクロのランナーが印象的なミュンヘン五輪(1972年)のポスター、シルクスクリーンやペインティングも独創的。岡崎さんの作は、抽象の立体で柔らかなフォルムの「HISASHI」、広島をテーマにした抽象画「黒い雨によせて」など。さらに背もたれや座面の曲線が美しい磯崎さんデザインの「モンローチェアー」も並ぶ。
姫路市の会社員・藤崎千晶さん(28)は「どのアーティストも独自の感性、発想が面白い。目当てで来た荒川さんの展示室『太陽』も異空間が素晴らしかった」と話していた。
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荒川修作や宮脇愛子らの作品に見入る来場者
奈義町美術館 現代アーティスト企画展