1992年バルセロナ五輪の競泳女子200㍍平泳ぎで金メダルに輝いた岩崎恭子さん(43)が講師を務める水泳教室が20日、奈義町柿のB&G海洋センタープールで開かれた。町内の小中学生たちが世界で活躍したアスリートの指導を受け、自身の技術や精神を高めた。
キャリア教育の一環として、奈義町教委が招待。奈義小5、6年生104人と奈義中3年生46人が参加した。
このうち5、6年生は、壁を蹴った後に伏し浮きの状態で進む「蹴伸び」を練習。岩崎さんは水泳の基本姿勢「ストリームライン」について説明した後、水に浮く子どもたちの様子を見ながら「頭は水の中へ、体と手足はしっかり伸ばし、力を抜く。基本を大切にすると上手になる」などと助言。初めは慣れなかった児童も挑戦していくうちにきれいな姿勢を保ち、水の上を難なく進めるようになった。
5年・岸本柚香さんは「苦手な水泳が楽しいと思えるようになった。もっと泳げるようにこれからも頑張る」と話した。
教室が終わった後、同町豊沢の町文化センターで講演会が開かれ、町内の小学校高学年と中学生計236人の前で岩崎さんは、「14歳で金メダリストになってから約2年間は、世間から注目されることが辛く、成績も伸びなかった」といった挫折や経験を語った。その上で「アトランタ五輪出場という目標を持ったのが転機。精いっぱい励むことで精神的にも大きく成長できた」と強調。「大切なのは人と比べたりしないこと。自分の中で目標を立てて努力を積み重ねていくと、それが自信になり、達成へとつながる」と呼びかけた。
中学3年・鷹取義人君は「人に流されないきちんとした価値観を持つようにしようと思った。友だちとは優劣を競うのではなく、共に切磋琢磨(せっさたくま)していく関係でいたい」と述べた。
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水泳指導をうける児童たち
奈義町 金メダル岩崎恭子さん 小中学生水泳教室