女優の渡辺えりさんと高畑淳子さんが共演した企画集団・オフィス300(さんじゅうまる)の舞台劇「さるすべり」が26日、岡山県津山市の津山文化センターで行われた。真に迫る演技と謎めいたストーリーに、津山市にゆかりのある音楽家・川本悠自さん(45)の演奏が加わり、市民ら観客500人を魅了した。
4月6~15日の東京公演を皮切りに5月18日までに地方7カ所で公演している話題の舞台。渡辺さんと高畑さんがふんする老齢の姉妹が室内を片付けながら懐古する場面から始まり、過去の恋愛や夢、戦争、学生運動などの思い出を虚実入り交じりながら振り返る中、庭のサルスベリの木を見て亡くなった弟を思い出し、話の核心に触れる内容となっている。
2人は劇中で素早く衣装を変えながらさまざまな登場人物になりきり、「家族」「平和」「人生」といったテーマが組み込まれた物語を時には激しく、時にはユーモラスに繰り広げた。
場面ごとに流れる曲と女優の松井夢さんのダンスがさらに情景を深め、観客たちは終始舞台に見入り、閉幕とともに盛大な拍手を送った。
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