岡山県津山市の美作高校ソフトボール部3年の捕手・宮本夢生選手(18)=大阪府堺市出身=が、国内最高峰の女子リーグ「JDリーグ」のタカギ北九州ウォーターウェーブに高卒新人として入団する。「レギュラーをつかみ、大事な場面で任せてもらえる打者になりたい」と抱負を語る。
地道な努力に裏打ちされた力強いスイングと本塁打などの長打力が持ち味で、守備ならどこでもこなす。美作高ソフト部からトップリーグへの輩出は2年連続3人目。
小学4年のころソフトを始め、中学時代は大阪の強豪クラブ・南大阪サンダースで活動。美作高の練習に参加し、杉本有加監督(43)の熱心な指導に「ここで日本一を目指したい」と進学を決めた。
1年生ながら4番で出場した県総体決勝では「自分の力のなさに気づかされた」といい、猛練習を開始。寮では毎朝ご飯を3杯食べ続けた。試合に出られず苦しい思いをしたが、2年春の中国大会で自身初の本塁打を放ったのを皮切りに飛躍を遂げた。
「全国大会に行き、日本一になるためにもっと力をつけたい」。コロナ禍で練習ができない時は1日かけて寮で1000本の素振りに励み、部活が再開された練習後は500本振った。
JDリーグでプレーするという決意を固めて練習に一層熱を入れ、3年では出塁率の高さから2番、3番を担い、捕手として活躍。惜しくもインターハイ出場は果たせなかったが、その秋の国体選手に選ばれ、全国の舞台の厳しさをようやく味わうことができた。
タカギ北九州ウォーターウェーブのセレクションでは「練習に取り組む姿勢」などが高く評価されたといい、3年間続けた着実な努力でその扉を開いた。
杉本監督は「自分で決めた約束に毎日取り組んだ結果が、今につながった。勝負の世界で一振り、一球、一言に至るまで『1』に全力を尽くし、失敗を恐れず自分から攻めれば必ず成果を出せる」とエールを送る。
1日に卒業式を迎えた宮本選手は「高校でのさまざまな経験が自分の力になる。元気や勇気を与えられるプレーをし、将来は日本代表に選ばれる選手になりたい」と活躍を誓った。