津山洋学資料館の夏休み教室が3日、岡山県津山市西新町の同館で開かれ、小学生たちが津山藩医・宇田川榕菴(1798~1846)の著書に紹介されている化学実験の再現に挑戦した。
同教室は子どもたちが蘭学に触れることで、津山の偉人を身近に感じてもらおうと2010年から開催している恒例イベントで、この日は小学4~6年の計28人が参加。津山高専の廣木一亮准教授と3年生のゼミ生たちの指導を受けながら、当館にも展示されている日本最初の化学書「舎密開宗(せいみかいそう)」を読み解きながら、水について知識を深めた。
「水は酸素と水素からできており、気体や個体に変化する異様な物質」といった説明を聞いた後、子どもたちは早速実験を開始。学生に手伝ってもらいながら、水を入れた試験管をバーナーであぶって沸騰する温度を確認したほか、電気分解についても学び、水素と酸素の混合気体が点火すると大きな爆音が鳴る様子も観察した。
林田小6年の梅田照子さん(11)は「水が水素と酸素に分かれるだけでなく、爆発するとは驚いた。すごい発見をしたと思う。化学っておもしろいなと思い始めた」と話していた。
この後、津山高校SSH(スーパーサイエンスハイスクール)科学部と一緒に19世紀のヨーロッパで使用されていたという天候予測器「ストームグラス」の制作に取り組んだ。