美作県民局は、2020年度の害獣捕獲実績をまとめた。管内10市町村の総捕獲数は、イノシシが1万242頭で前年度比3.8%減、シカが1万285頭で同6%増。一方、真庭地域で繁殖しているサルが183頭で、前年度比265%と2倍以上になっている。
総捕獲数のうち、各自治体の判断による許可捕獲の割合はイノシシが88.1%、シカ95%とともに大半を占め、狩猟による捕獲を大きく上回る。
市町村別の捕獲数では、イノシシの最多が真庭市3196頭(同17.5%増)、次いで美作市1274頭(23.3%減)、津山市1267頭(13.2%減)など。シカが美作市の5111頭(同4.9%増)、次いで津山市1434頭(12.8%増)、奈義町982頭(32.3%減)などとなっている。サルは生息域中心地の真庭市が121頭(同268.8%)、新庄村が57頭(同300%)と真庭地域が大半を占める。
管内では各市町村で捕獲に対して1頭当たりイノシシで5000〜2万円、シカで1万〜5万円、サルも1万〜5万円の助成制度を設け、捕獲を後押し。管内の狩猟免許保有者は20年度末現在、1687人で前年比約2.9%増という。
一方で管内の農作物などの鳥獣被害総額は20年度、1億515万円(前年比2.5%減)と2年ぶりに減少し、捕獲推進の影響とみられる。
同局森林企画課では「わな猟登録者の増加を追い風にイノシシ、シカとも19年度の捕獲数が3割程度増え、20年度も高水準を維持している。サルについては大型の囲いわなによる捕獲を強化している。それぞれ引き続き捕獲を促進し、農産物被害の歯止めにつなげたい」としている。
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真庭地域で捕獲を強化しているサル(県提供)
2020年度害獣捕獲実績/岡山・津山市