岡山現代彫刻の断片vol・5「具象×抽象彫刻 生成/新たなる試み」が奈義町豊沢の町現代美術館などで開かれ、斬新な表現の意欲作に来場者が見入っている。3月27日まで。
5年目の選抜展となった今回は、川村洋平さん(38)=赤磐市=、松村晃泰さん(48)=矢掛町=が計約30点を出展。
津山高校で美術教諭を務める傍ら制作に励む川村さんの新作は、廃段ボールをメインの素材に使い、巨大な人の腕の造形を筋肉や血管までリアルに表現した「ノベルまくなし」が強烈なインパクトを放つ。少女の顔をレリーフ状にした「カノエトラノコ」も印象的。
一方、松村さんは様々な自然石と積層ガラスを組み合わせた異色作で、「Phantom―pudding―」は有機的なフォルムに不思議な生命感が漂う。さらに暗室で回転させながらスポットライトを当てている「Phantom―moon―」は、積層ガラスの複雑な反射が美しく、周囲の壁に映る流動的な光がオーロラを思わせる。
愛知県名古屋市の大学生・関岡由莉さん(20)は「こんな彫刻は初めて。人体は段ボールとは思えないリアルな肉感。ガラスと石の組み合わせも面白く、ライティングした作品は幻想的だった」と話した。
岡山現代彫刻の断片vol・5
- 2022年3月8日
- 芸術