岡山県は、県内の害獣の2020年度末推定生息数について、イノシシ約4万4000頭(中央値、前年度同期比8.7%減)、ニホンジカ約4万5000頭(同10.7%減)との調査結果をまとめた。イノシシは4年連続の減少、シカは7年連続の減少となり、捕獲強化の効果が表れているとしている。
生息数調査については、捕獲数や一定エリアのふん塊数、目撃情報などのデータを基に推計。推定値には幅があり、実数に最も近いとされる中央値でみると、イノシシは4万〜5万頭台で推移し、2010年度末の約5万8000頭から10年間で約1万4000頭減少した。シカは13年度の約6万2000頭をピークに、7年間で約1万7000頭減ったことになる。
一方で20年度の捕獲数は、イノシシが3万1650頭で記録が残る1985年以降2番目に多く、2年連続で3万頭を超えた。シカは1万5375頭で85年以降で最多となった。市町村の判断で狩猟期間外でもできる「許可捕獲」が進み、県が2018年度から市町村の助成制度への上乗せ期間を従来の2カ月間から8カ月間に延長したのも後押ししたとみられる。
20年度のシカとイノシシによる県内の農林被害額は、計1億2690万円で前年度比6.6%減。
県は22年度から向こう5年間の「鳥獣管理計画」を策定中で、国の方針に沿ってイノシシの生息数を11年度の半数(約2万7000頭)、シカも同年度の半数(約2万8000頭)に減らす数値目標を掲げ、引き続き捕獲を促進する方針。
県鳥獣害対策室では「生息密度を低減させる一方で農作物の被害を抑制する〝捕獲と防護の両輪〟を持続させるとともに、ジビエ肉の消費拡大も図る」としている。
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生息数が4年連続で減少したと推定されたイノシシ(津山市内での捕獲個体、野生鳥獣対策連携センター提供)
岡山県2020年度末推定害獣生息数
- 2022年2月8日
- 行政・公共