「今年1年元気に過ごしてほしいという願いを込めて作り続けたい」ー。市場の寺坂暢之さん(84)は、熟練を要するわら細工の宝船を毎年作り、地元の公民館や子ども園などに贈っている。
自ら栽培し、夏に青刈りした水稲を使用。三つ編みした5本のわらで反り上げた船底をこしらえ、その上に自作の帆、5俵の米俵、ツル、そばにカメをあしらう。扇や紫色の稲穂といった縁起物で飾り付け、1艘に5日半を要する。
約20年前に展示されていた宝船に魅せられ、重さやバランスなど改良を重ねながら、これまで70個ほどを手掛けた。
「喜んでいただき、何年も前に贈った作品を大切に保管してくれている人もいる。新作を届けてまた笑顔になってほしい」とにっこり。
今冬は5艘作成する予定で、新野東の勝北公民館や勝北風の子子ども園などに寄贈する。
市場の寺坂暢之さんによるわら細工の宝船