岡山県津山市新魚町の市立図書館前広場で19日、「高校生が描いたヒロシマ原爆の絵展2023」(新日本婦人の会津山支部主催)が始まった。被爆者の証言をもとに描かれた原爆投下後の惨状が核兵器と戦争の恐ろしさを来館者に訴えている。21日まで。
被爆の実相を後世に伝えようと、2007年から広島市の基町高校で行われている取り組みで、創造表現コースの生徒たちが制作した絵画の複製32点を展示した。
激しい炎でやけどを負って息絶えた人や、死んだ幼子を背負って助けを求める負傷した母親など、絵画は生き残った人たちの記憶などをたよりに当時の悲惨な状況を克明に描いている。パネルのそばには生徒や証言者たちのメッセージが添えられており、制作への思いにふれることができる。
同県真庭市下河内の宮本秀人さん(69)は「とても胸が痛む。しかし多くの若者らにこの展示を見てもらいたい。平和の尊さや日本の安全、将来について改めて考えるきっかけになると思う」と話した。
同展は26〜28日、同県勝央町勝間田の勝央美術館でも同様に開かれる。