美作大・同短期大学部の沖縄出身の学生でつくる沖縄県人会による創作劇「時をこえ」が23日、岡山県津山市の同大体育館で上演された。28人が出演し、市民らに命や平和の大切さを訴えた。
学生たちで脚本から演出まで手がけた。主人公の「おばぁ」が孫らに79年前のひめゆり学徒隊、亡き家族や友人を回想するシーンから始まる。おだやかな日々を過ごす人たちが徐々に争いに巻き込まれていく様子が克明に描かれている。
ガマと呼ばれる洞くつの中で人間性を失っていく人々、ひめゆり学徒隊らの悲しみなどを真に迫る様子で演じた。感情を際立たせるダンスをはさみ、最後に平和への祈りを込めた伝統芸能「エイサー」を全員で披露。実行委代表の大城里音さん(20)=食物学科2年=が「県民の4人に1人がこの戦争で亡くなった。風化させることなく、平和への思いを未来へつなげたい」と訴え、約350人の観客は盛大な拍手を送った。
「時をこえ」の観賞は3回目だという津山市の会社員・難波由紀子さん(55)は「戦争の悲惨さをコントラストの強いダンスで演出しているシーンが印象的でした。平和を願う強い思いに感激しました」と話していた。
2013年から毎年、脚本を変えながら上演して12回目。