広島の原爆投下から80年 美作地区原爆慰霊碑前で祈念式 県被爆者会津山支部/岡山・津山市

祭事・神事・法要 慰霊碑に焼香する津山支部会員=岡山県津山市で
慰霊碑に焼香する津山支部会員=岡山県津山市で
         

 広島の原爆投下から80年を迎えた6日、被爆者や被爆者二世らでつくる県被爆者会津山支部は、岡山県津山市の神楽尾公園内、美作地区原爆慰霊碑前で祈念式を開き、約20人が犠牲者の鎮魂を祈り、恒久平和への誓いを立てた。

 同支部長で県原爆被爆者会副会長・木原賢一さん(70)=林田=が「昨年は日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)がノーベル平和賞を受賞し、核兵器の廃絶を訴えてきた被爆者たちの活動が認めらえたように感じる。一方で核兵器は無くならず、私たち二世が核の恐ろしさを次世代に伝えていく大切さを感じている。続けていこう」とあいさつ。

 一人ひとりが慰霊碑の前で焼香し、故人の冥福を祈った後、投下時刻の午前8時15分にラジオから流れる広島平和公園の鐘の音に合わせて、黙とうした。

 かつて広島市段原地区に自宅があり、原爆投下後日に疎開先から帰宅したことで被爆した吉岡美子さん(86)=美作市海田=は当時の町の凄惨な光景を振り返りながら「こんなことは二度と無いようにと願う。混乱する世界情勢の中、政治家も含めてみなさんが国のために、世界のためにも平和な時代を築くように努力し合ってほしい」と思いを述べた。

 同地区の原爆慰霊碑は、中国軍管区練兵場で被爆した木原さんの父・徳二さんが中心となり、1980年に建立。現在473人の名簿が納められている。2025年8月6日時点で支部内では存命の被爆者が12人(平均年齢90歳)となっている。

原爆投下時刻に黙とうを捧げる会員たち
原爆投下時刻に黙とうを捧げる会員たち


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