彫刻家・安藤榮作さん(59)=奈良県=の作品展「天の所有物」が西今町のギャラリー・NishiⅠma25と近くの蔵で開かれ、生命エネルギーを表現した木彫が来場者を魅了している。11月8日まで。
安藤さんは、東京芸術大学彫刻科を経て精力的に制作を続ける中、2017年に「平櫛田中賞」、20年には「円空大賞」を受賞。手斧(おの)でたたき彫る独特の作風で知られ、今回は大作を含む38点を出展した。
蔵(西寺町)の会場では、はばたくような造形がエネルギッシュな「鳳凰」、和合する男女をモチーフにした「光のさなぎ」が強烈な印象を放つ。NishiⅠma25では、福島県在住時に東日本大震災を経験して着想した作で、死生観を込めた2000体の「人型」が折り重なり、背後にふたつの手が大自然と人間界を表す「天と地の和解」も異空間を醸す。さらに「Being(存在)」は有機的なフォルムにひかれる。
安藤さんは「非日常の彫刻にふれ、生命エネルギーの流れや魂の光を感じてもらえたら」と話している。
午前11時〜午後5時。定休日は月、火、水曜日。
問い合わせは、NishiⅠma25(℡080―5907―1663)。
p
生命エネルギーを表現した木彫に見入る来場者
彫刻家・安藤榮作さん、作品展 天の所有物