奈義町内で先月から滞在制作をしていた彫刻家・絹谷幸太さん(48)=東京都=による新作の石彫が完成し9日、町現代美術館(豊沢)の芝生広場に設置された。
アーティストレジデンスの一環で同町が2月5日から招へいし、B&G海洋センター艇庫(荒内西)をアトリエに6点を制作。
五感で素材の石を理解し、対話できる「創知彫刻」がコンセプトで、赤色花崗(かこう)岩を波打つようなフォルムに磨いた滑り台「想像力スライダー」など遊び心漂う作品が雄大な那岐連山を背景に並ぶ。
絹谷さんは東京生まれ、幼少期はイタリア・ローマとベネチアで過ごし高校時代、柳原義達氏との出会いから彫刻家を志した。東京芸術大学大学院、サンパウロ大学大学院などを経て、内外で精力的に制作を続けている。最近ではJR上野駅にも作品が設置された。
「自然の造形の導かれながら制作している。見て、さわって、耳をあてて数千万年前、数億年前にできた石たちの息吹を体感してほしい。そしてアートや自然に目を向けるきっかけになれば」と話す。
彫刻家・絹谷幸太さん 石彫完成