昨年度11月に岡山県津山市と「観光交流における友好協力に関する協定」を締結した台湾中西部の彰化市から林世賢市長が25日、初めて来津し、谷口圭三津山市長と「相互交流促進に関する共同宣言」を行った。今後は産業や教育など多分野で互いに協力し合い、発展と振興を目指す。
林市長は高德耘市長夫人や彰化市、台北駐大阪経済文化弁事処、台湾観光協会大阪事務所の職員計12人とともに山北の市役所を訪れ、「観光資源や産業の特色、人材育成といった情報を深く掘り下げて学び、両市の交流を深める分野を拡大したい」とあいさつ。
谷口市長は「互いに助け合いながら発展し続けていくパートナーとして信頼関係を深めるとともに、新しい協力の仕方も探っていきたい」と歓迎した。庁議室で宣言書に署名を交わした後、林市長は「両国が互いの文化を理解して交流があってこそ、助け合いの関係が深まっていく。観光だけでなく、商業、工業といった面でも非常に興味深い将来がある」と話した。
署名交換に先立ち、協議会室では「意見交換会」が行われ、津山市職員から本市における観光と産業、教育の特色を聞いた林市長は、金属加工をはじめ製造業が発達している点など類似性や関連性のある部分に高い関心を持ち、今後双方で協力し合える施策について自身の考えを示していた。さらにこの日は津山まなびの鉄道館や城東地区、津山城といった観光スポットのほか、産業施設を見学して知見を広げた。
両市は鉄道遺産・扇形機関車庫があることをきっかけに親交が始まり、連携した事業に取り組んでいる。2022年に観光プロモーションの一環イベント「津山・台湾デーinまなびの鉄道館」が開かれ、今年7月には彰化市の中学生たちが教育交流を図り、来津した。