NPO法人のみる・あそぶ・そだつ津山子ども広場が主催する第126回鑑賞会「クモばんばとぎんのくつした」が15日、岡山県津山市大田のリージョンセンターで開かれ、親子ら130人が舞台で繰り広げられる心温まる劇に夢中になった。
親子で舞台芸術鑑賞を楽しめる機会をつくろうと前身の津山子ども劇場が始め、現在も引き継がれている企画。今回は愛知県名古屋市を拠点に活動する劇団うりんこが児童文学作家・仁科幸子さんの著書を元にしたお話を披露。
物語は編み物で小物をつくる服飾店を舞台に自分の存在に対して否定的な主人公のナメクジ・ニュッルが店を経営するクモ・クモばんばと出会い、自信に満ちあふれるように変わっていく内容となっている。「自己肯定感を高めて、未来を切り開いてほしい」というメッセージを込めながら、3人のキャストが踊りや歌を交えて熱演。コミカルな動きと台詞回しに子どもたちは笑顔になりながらも、さまざまな課題を解決して次第に自分に自信を持っていくニュッルの姿に見入った。
一宮小1年の横尾栞さん(6)は「ニュッルの特技でクモばんばお店を救った時はすごかった。とてもすてきな話」。母親の雅子さんは「自分では気づかなくてもちゃんと見てくれ、良さに気づいてくれる理解者が必ずいることを感じた。終わった後も娘と共通の話題で盛り上がることができる。参加してよかった」と話していた。