作州忍者鶴山隊の第2回勉強会が30日、岡山県津山市小田中の城西公民館で開かれた。津山郷土博物館・綱澤広貴学芸員が「津山藩の目明と幕府法令」をテーマに話し、市民約20人が聴講した。
「津山松平藩町奉行日記」から「目明」を取り上げた。「目明壱人ツゝ右場所へ忍なから差遣候事申付ル」の記述で、この「忍」は「目明」を指すが、「いわゆる忍者ではない」と説明。「領民を支配するための密偵だった」と話した。
18世紀後半は全国的に治安の悪化が顕著な時期で津山藩も例外ではないと指摘。そのうえで目明の主な職務は罪人の護送や犯罪者の捕縛、内偵調査、市中不穏なときの忍廻りなどで、同心屋敷や足軽屋敷は武家地にあったのに比べ、目明はあくまで町人地に拝領しており、その違いを強調した。経済的に困窮していたため、解決策として旅人頭銭の徴収権が付与され、「津山の旅人はすべて目明が把握していた」と語った。
また、たびたび町奉行日記に出てくる「目明し三巴初五郎」について詳しい説明があり、参加者は熱心に聞き入っていた。
同隊は年2~3回の忍者に関する勉強会を開いている。