岡山県津山市弥生町の主婦・高橋妙子さん(当時54)の行方不明事件が、未解決のまま21年を迎えるのを前に津山署は2日、ラ・ムー津山店とイオンモール津山店で事件の概要が書かれたチラシを入れたポケットティッシュ約1000個を配布し、情報提供を呼びかけた。
ラ・ムー津山店では同署員ら10人が午前9時から買い物客に「ご協力を」などと声をかけながら手渡していた。市内の男性(70)は、「津山でこのような事件が起きたことに不安を覚える。最近高齢者を狙った犯罪も増える中、自分たちも安心できない。警察には高橋さんを発見のほかに、事の真相解明をお願いしたい」と話した。
捜査本部は高橋さんの発見を重点に置き、県警本部と同署の計22人態勢で捜査や広報活動を行っている。公開捜査を始めてから寄せられた情報は、昨年6月以降の2件を含めて計470件。今までに延べ約5万6500人の捜査員を投入し、県内外の山林など約100カ所を捜査している。
同署の大木章弘刑事官は「今一度、事件を振り返っていただき、ささいなことでも良いので情報を提供してもらいたい」と述べる。
事件は2002年6月3日午後7時20分ごろに通報で発覚。高橋さんの夫名義のキャッシュカードで現金約700万円を引き出した男女を特定したが、すでに自殺をしており、被疑者死亡のまま窃盗で書類送検している。
情報提供は同署(☎0868-25-0110) 県捜査一課(☎086―234―0110)。