県北で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)発生が相次いでいる状況を受けた感染予防研修会(県主催)が25日、山北の市総合福祉会館で開かれ、美作保健所管内の事業所の管理者ら約100人が効果的な対策について学んだ。
専門家チーム「感染予防班」のメンバーが講師を務め、飲食店や福祉施設、中小企業などから参加。
このうち川崎医科大学附属病院の平田早苗看護師長は、職場の密閉空間ではエアロゾル(微粒子)による集団感染リスクが高まるとし「対角線上の窓を開けると効果的に換気できる。1時間に10分程度、30分ごとに2回の方が効果は大きい」とアドバイスした。従業員の行動管理については「万一、感染者が出た時に行動記録があれば早急に対応すべき人を特定でき、拡大を防げる」と強調。
疫学に詳しい岡山大学大学院の高尾総司講師は、事業継続計画について「労働力を場所や時間帯などで2分割し、接触機会を減らすことで感染者が出ても片方で業務を継続できる」と話した。感染リスク低減策では、あらかじめ感染発生時の社名公表と個々の行動歴提出を従業員に伝えておくことで、抑止力につながることも指摘。
このほかマスク着用、手指とよく触れる箇所の消毒徹底、患者発生時の社外関係者への連絡や公表の目安にもふれ、参加者は終始熱心に聞き入っていた。
同保健所管内の8市町村では24日現在、病院や事業所、高齢者施設など7件のクラスターが発生し、計80人の感染が確認されており、感染者(143人)の半数以上を占めている。
p
クラスター対策について聞く参加者
感染予防研修会
- 2020年11月26日
- 行政・公共