津山に秋を告げる「津山まつり」が19日、高野神社=岡山県津山市二宮=と大隅神社=津山市上之町=の例祭で幕を開けた。
髙野神社は、だんじり9台がウエストランド(同)に勢ぞろいし、10時40分に統一行動を開始。「ソーヤレ」という子どもたちの元気な掛け声と鐘の音を響かせながら神社に向けて出発し、曳き手計171人と乗り手計168人が威勢よく町内を練り歩いた。
だんじりが神社前に到着した後は境内で神事が執り行われ、河原仁司宮司(46)が五穀豊穣(ほうじょう)への感謝と地域繁栄を祈り祝詞を奏上。獅子舞や巫女装束に身を包んだ向陽小学校の女子3人による「浦安の舞」が奉納された後、祭神の分霊が宇那堤森(うなでがもり)の御旅所まで向かう「御神幸」が行われた。
「鼻高」と呼ばれる天狗(てんぐ)を先導に、分霊を移した金ぺいが入った傘鉾(かさぼこ)を連れた行列が続き、約300メートルの道のりを往復。ご利益を授かろうと獅子の頭にかんでもらう子どもたち、笛や太鼓の音色に合わせて歩く行列の華やかな姿を見守る住民たちの姿が見られた。
神事に先立ち、二宮こども龍神太鼓の演奏や津山情緒保存会による踊り、「お菓子まき」もあり、来場者を楽しませた。
祭事に欠かせない小太鼓や笛の演奏を担った山西町内会の内田龍之介君(14)は「妹2人も巫女の舞や太鼓の演奏で参加した。みんな練習を頑張り、成果を出せて良かった。祭りは大人から子どもまでみんなの心を一つにする大切な行事。技術をきちんと引き継いでいきたい」。小林幹夫総代長(86)は「少子高齢化の影響を受けて厳しい状況の中、若者や子どもたちが伝統を守ろうと励んでいて、ありがたく思う。後世に残るように頑張ってほしい」と話していた。
