日本国憲法の入門書として異例のベストセラーになっている「檻(おり)の中のライオン」の著者で、弁護士の楾(はんどう)大樹さん(49)の講演会が25日、岡山県津山市北園町の美作大学で開かれ、憲法を学び、政治に関心を持つことの大切さなどを訴えた。
楾さんは、これまで全国の学校や自治体などで1000回以上講演を重ねている。今回は国家権力を憲法で縛る立憲主義について、権力を「ライオン」、憲法を「檻」にたとえ、ぬいぐるみを用いながらわかりやすく解説した。
憲法は、国民の権利が国家権力によって侵されてきた歴史を繰り返さないためのものとし、「強くてわがままなライオンが檻から出ないようにするのが国民の役割。まずは憲法について知ることが大切」と主張した。
さらに平和主義や基本的人権について、条文を引用しながら説明し、「憲法を作るのも、ライオンを選ぶのも私たち主権者。ライオンが戦争を始めたり、国民から自由を奪ったりしないように、政治について学び続ける努力をしてほしい」と呼びかけた。
講演会は市民団体などによる実行委が、憲法の正しい知識を学ぶ場を作ろうと初めて開き、市民ら約70人が熱心に耳を傾けた。
