新型コロナの影響甚大 大学生の生活にも波紋/岡山・津山市

教育・保育・学校
         

 新型コロナウイルスの感染拡大は、住む地域や立場、年齢などに関係なく多くの人の暮らしに影響を与えている。では、大学生はどうだろうか。美作大学・同短期大学部=岡山県津山市=の学生に様子を聞いてみた。
 「賃金は半分以下になった。4月は数日しか働けていない」。専攻科介護福祉専攻の杉山遥風さん(20)は、アルバイトの出勤日数が減ったことを嘆く。
 居酒屋で週4日間働いていたが、客が激減して開店時間も短縮され、シフトは大幅に変更された。
 実家から通い、学費は親が支払っているのが救いだ。同じような状況に陥る学生の中には、退学を検討せざるを得ない人もいるかもしれない。
 関西圏の学生組織がネットで公表した実態調査では、回答した約1400人のうち、4月以降に収入が減る見通しの学生は74.8%。家族が減収するとした人も55.6%を占める。別団体のアンケートでは、「収入減で退学を考えている」と複数人が答えた。
 友人でクラスメイトの菊池愛実里さん(20)は、親の仕送りで生活しているが、外出自粛の動きが広がる中で帰省できないのが悩ましい。日用品や食料品などの調達手段でもあったという。
 「しばらくは我慢しなければならない。仮に感染したら、小学校教諭の両親や祖母に迷惑をかける」
 世間では、活発な若い世代に対して危機意識を浸透させるのが課題の一つになった。今や予防を徹底している2人には、緊急事態宣言の対象拡大も響いたが、タレントの志村けんさんの訃報が最も大きかったようだ。「テレビで人気の人が犠牲になったのは衝撃。他の友人も口々に話していた」と振り返る。
 自由な時間も確保される大学生活。社会人になる前の最後の年に思い出づくりができないのを残念に感じるものの、「大切な命には代えられない。仕方がない」と気持ちを切り替えた。感染が拡大する現状も、「世界中の人と同じ課題を共有している。このような経験を記憶に留めたい」と前向きに捉える。
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「この経験を記憶に留めたい」と語る美作大学の学生


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