農繁期に合わせた企画展「しょうぼくふるさと農具〜田植えの巻〜」(勝北文化協会主催)が、岡山県津山市新野東の勝北公民館で開かれている。来館者は機械化が進む以前に使用されていた農機具と道具を興味深げに眺めていた。6月25日まで。
江戸中期から昭和30年代前半までの農業の歴史や目にふれる機会が少なくなった道具などを子どもや若者に知ってもらおうと同協会が企画。勝北歴史民俗資料館収蔵の13点を展示している。
会場には、「うしんが」「馬鍬(まぐわ)」といった牛耕農法に使用した器具のほか、雨の日に着用した「みの」、煙をくゆらせて虫を追い払う携帯型の「かっこう」などがずらり。説明文や写真なども添えられ、使われていた当時の様子がうかがえる。同所を訪れた女性(75)らは「祖父や両親がこれで畑仕事をしていたのを思い出した」と過去を懐かしんでいた。
同協会の上髙進会長は「コンバインなどの機械が普及する前は農家の人が大変な苦労をしながら、作業していたことを感じ取ってもらえたら」と話している。