岡山県美作市を舞台に、同市出身の映画監督・大谷健太郎さん(東京都)がメガホンをとった映画「風の奏(かなで)の君へ」が、初夏に全国公開される。地元の作家・あさのあつこさんが書き下ろした小説を原案にした恋愛物語で、俳優陣は主演の松下奈緒さんをはじめ、杉野遥亮さん、山村隆太さんがメインキャストとして発表された。
大谷さんの「美作の小説と映画を全国に」との構想に市が協力し、風の奏の君へ製作委員会が実現。美作を訪れたピアニストの青江里香と、茶葉屋を営む兄弟をめぐるストーリーで2022年4月、美しい茶畑の広がる海田地区や山外野地区をメインに湯郷、古町のほか津山城でもロケが実施された。
松下奈緒さんは「今作ではピアニスト役ということで自分と重なる部分も多く、感情を揺さぶられる瞬間が最も美しい音楽になることを実感した。美作の風景の中で撮影できたことは演じる上でも心強く、風のように現れ、去っていく里香の残した証を感じ取っていただけたら」とのコメントを出している。