岡山県奈義町の農業・植月志朗さん方(84)で、春の訪れを告げるとも言われている渡り鳥・ツバメ2羽が飛来し、軒下の巣で羽を休めている。日に日に気温が上昇し、いよいよ美作地域の山里や山間部も本格的な春を迎える。
50年以上前から毎年訪れることから、同家では春の風物詩となっている。今年は3月23日ごろに姿が見え始めたという。「毎年のことなので、なかなか来ないと『何かあったのか』と心配するし、来た時は家族みんな大喜びで歓迎する」と笑顔で語る植月さん。
風水で不吉とされる方角・鬼門に巣をつくらないと言われるほか、「燕(つばめ)が巣を作るとその家は繁盛する」といった言い伝えが日本各地に残るなど幸運を運んでくるとして愛される鳥。植月さんは「家運を守ってくれる存在のように感じる。無事に過ごせるようにそっと見守っていきたい」と話していた。
通常では6月にかけて卵を産み、約2週間でヒナが誕生する。ヒナは約3週間で成長し、晩夏から仲秋までの間に南国へと飛び立っていく。