彫刻家・画家の武藤順九さん(72)=岡山県津山市=による芸術体験の特別授業が3日、津山市内の小学校体育館であり、4年生25人が発想を膨らませながら思い思いに墨絵を描いた。
市教委が昨年度に続いて企画し、制作活動の一方、子どもの想像力育成と伝統文化継承を狙いに「アート寺子屋」を全国各地で展開している武藤さんに講師を依頼。
「葉っぱの一生」がお題で、墨のすり方や濃淡やにじみの出し方を教わってから開始。児童たちは長さ6メートルの和紙に毛筆を滑らせ、さまざまな木の葉に季節感や天候、生き物なども交えて自由に感性を表現していった。1時間ほどで十人十色の絵巻物が完成。
日下結雅君(9)は「葉っぱが風に飛ばされて旅をしていく様子を描いた。硯(すずり)で墨をするのも墨絵も初めてで、いろんな濃さが出せるのが面白い」と話した。
武藤さんは講評で「みんな個性があっていい。大切にし、大人になった時に思い出して見てほしい」と呼びかけた。
この体験授業は、同校を含め7月にかけて5校で実施する予定。
彫刻家・画家の武藤順九さん 特別授業 芸術体験/岡山・津山市