彫刻家・画家の武藤順九さん(72)=昭和町=による「my硯(すずり)づくり」のワークショップ(一般社団法人・風の環主催)が27日、田町の土岐記念館で開かれ、熟年者や親子連れ12人が二つとない形の硯を彫った。
宮城県出身の武藤さんが、東日本大震災(2011年)で壊滅的被害を受けた石巻市の「雄勝硯」復興の一助として地元の粘板岩を取り寄せ、各地で展開している「寺子屋プロジェクト」の一環。
参加者は好みの石を選び、目印の線を書いてから彫刻刀を入れ、「エッジは三角刀、中は円刀と平刀を交互に使って」などとアドバイスを受けながら彫り進んでいった。約2時間で浅い「陸(おか)」から深い「海」の部分の荒彫りができ、裏側にはルーターで名前や年月日を刻字。これらは石巻市に送り、職人が仕上げ加工をして数カ月後、届けられる。
林田の池田富美子さん(73)は「思ったより彫りやすく、心地よい感触だった。書道教室で愛用するつもりで、仕上がってくるのが楽しみ」と話した。
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武藤さんのアドバイスを受けながら硯を彫る参加者
昭和町 武藤さんワークショップ