岡山県津山市川崎のシェアカフェ「TEGO(てご)」で21日、岡山市出身の書道家・梨乃さん(23)がガラス壁面に書のパフォーマンスを行った。白のアクリルペンキで描かれたのは、「守破離」と「置かれた場所で咲きなさい」。それぞれ、梨乃さんと、TEGOを運営する岡孝男社長が大切にしている言葉だ。
梨乃さんは5歳から書道を始め、文字の表現と向き合ってきた。高校時代には書道パフォーマンスに触れ、いかにきれいな文字を書くかという視点から「文字を通じて感動を届けたい」という思いが芽生えた。在籍した書道部はもともとパフォーマンスに力をいれている学校ではなかったが、地道に部員と努力を重ね、岡山県警の特殊詐欺撲滅CMにも起用されるほどになった。
その後、SNSを活用して音楽の歌詞を作品化したり、大ファンであるファジアーノ岡山のスローガンを毛筆で描くなど活躍は多岐にわたる。
「手書きが減っている時代だからこそ、人が書く文字でしか届けられない感動があります。自分の文字で誰かの心を動かしたい」と梨乃さんは語る。
今回描いた「置かれた場所で咲きなさい」は、梨乃さんの母が大切にしている言葉で、自身も本を通じて出会った一節。「どんな環境でも努力しだいで夢はかなうという、とても共感でき、大切にしている言葉です」と力を込めた。 岡社長は「今後も梨乃さんの作品にふれる機会をふやし、お店も注目していただけたら」と話し、地域とアートをつなぐ取り組みに意欲を見せている。





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