本年度第3回「美作学講座」兼第40回「津山市文化財調査報告会」が10日、岡山県津山市の美作大学で開かれ、市内と近隣の町の住民100人が津山城や市内の古墳群で行われた研究・調査成果の発表に耳を傾けた。
始めに津山弥生の里文化財センターの三輪望主事が津山城三の丸にあった「十八番門」の遺構を調査した結果を報告。
十八番門は『美作國小鏡』や『津山絵図』といった文献に記された櫓(やぐら)門で、その大きさは1間を1.8メートルとし、横幅9メートル(5間)、奥行きは3.6メートル(2間)。道を隔てて北側と南側の両端を調べたところ、「北側には櫓台の石垣1段(幅2間、奥行き2間)が発見されたものの、南側は痕跡が見られなかった」と話した。
続いて、岡山大学学術研究院社会文化学科学域の光本順准教授がドローンを使った最新の「航空レーザー測量」を紹介。光の反射によって地表の高低を測定することができ、高野山根古墳群などの一帯を上空からの測ったデーターを公開し、そこからうかがえる遺跡と周囲の地形について解説した。
参加者たちは資料に目を通したり、質問をしたりして熱心に知見を広げていた。