「防災講演会」が26日、美作学園創立100周年記念館(岡山県津山市北園町)で開かれ、美作地域の自主防災組織や町内会の役員、防災士らが有事の際における「自助」「共助」の重要性と具体的な取り組みについて理解を深めた。
美作県民局主催の本年度地域防災力強化推進事業の一環として実施し、津山市をはじめとする近隣の市町から約110人が参加。
第1部では市社会福祉協議会の職員と災害NGO結の前原土武代表が、昨年起きた能登半島地震や豪雨で被災地を支援した体験とその後の復興について語るなどし、広範囲に被害が出たことで公助が進まなかった点や被災後の災害関連死の多さといった課題を挙げるなどし、平時の備えに加え、普段から地域で助け合える環境を作っていくことの大切さを強調した。
第2部は防災に関連する書籍も出版されたアウトドア防災ガイドのあんどうりすさん=東京都=が登壇。根拠ないうわさや思い込みから誤った知識を持ち、災害発生時に間違った判断や行動をしてしまう危険性を指摘した上で、東京消防庁や東京都交通局が発信する情報を紹介。
あんどうさんは「地震発生の際は家具が倒れて下敷きになるケースも見られることから、家具を固定しておくのも大切」とアドバイスしたほか、VR(ヴァーチャルリアリティ)動画を活用して水害発生時の様子も説明。水の流れと水圧の関係性を示し、逃げる際に用水路や浸水した道路に踏み入れないように呼びかけるなどした。
真庭市栗原地区自主防災組織防災部長の山田敏夫さん(63)は「いざという時に住民たちが力を合わせられるように、普段から訓練や会合、イベントを通して交流を深めていくことも大切だということに気付いた」と話していた。