第38回久米南町文化講演会(同町文化協会主催)が18日、岡山県久米郡久米南町下弓削の町文化センターで開かれた。女優の東ちづるさん(63)が来町し「ワクワクで『まぜこぜの社会』を目指す!~浅く広くゆるくつながろう」と題して話し、町民約250人が聴講した。
あずまさんは女優やタレントとして活躍する傍ら、骨髄バンクやドイツ平和村、障害者アートなどのボランティアを約30年続けている。誰もが自分らしく生きられる「まぜこぜの社会」を目指す一般社団法人「Get in touch」代表。
人気絶頂だった32歳のとき、テレビで同郷因島の白血病の17歳の少年を見たのをきっかけに社会活動をスタート。コメンテーターが少年に向かって「頑張ってほしい」と言っていたのに違和感を感じ、「少年には何か言いたいことがあるはず」と思い、連絡をとると骨髄バンクのことを知った。以来骨髄バンクのドナ―支援活動を始めたことを語った。
2011年3月11日に発生した東日本大震災がボランティア活動の転換期になったと話した。言語空間は「きずな」などの優しい言葉であふれていたが、「被災地で障害者やマイノリティーがそこから漏れている現実を知った。元々困っていた人がもっと困っていた」と語った。そこで困りごとをアートで可視化する「Get in touch」を立ち上げたと述べた。
「まぜこぜの社会」実現のための多彩な活動を紹介し「社会に役立つ人になろうという言葉を聞くが、怖い言葉。人は幸せになるために生まれた。人に役立つ社会をつくろう」と訴えた。