岡山県津山市出身で東京フィルハーモニー交響楽団首席ファゴット奏者の廣幡敦子さんが主宰する「アンサンブルパストラーレ」による「木管五重奏with打楽器津山公演」(津山朝日新聞社主催)が18日夜、津山市のベルフォーレ津山で開かれ、世界で活躍する奏者たちの響きに約560人の観客が魅了された。
出演は廣幡さんのほか、フルートの満丸彬人さん(オーケストラ・アンサンブル金沢)、オーボエの荒川文吉さん(東京フィル首席)、クラリネットのアレッサンドロ・ベヴェラリさん(同首席)、ホルンの日橋辰朗さん(読売日本交響楽団首席)、打楽器の秋田孝訓さん(東京フィル)。
優雅で華やかな「くるみ割り人形より 花のワルツ」で幕を開け、前半は「カルメン組曲」「クルークハルトの木管五重奏曲」などクラシックの名曲を演奏。後半は「サウンドオブミュージックセレクション」「オーメンズ・オブ・ラブ」「ど演歌メドレー」「シング・シング・シング」といった親しみやすい楽曲を奏でた。
実力派アーティストたちの個性や表現力がリズミカルに調和。6人とは思えない重厚なサウンドと、心を温かくするような豊かな旋律がホールに響き、音楽の魅力や楽しさを伝えた。ステージ上には、フラワークリエイションチーム・mimosaによる舞台装飾が飾られ、“花”を添えた。
アンコールでは「瀬戸の花嫁」を情感を込めて演奏し、割れんばかりの拍手に包まれた。吹奏楽部のメンバーで訪れた中道中学校の1年生女子は「少人数なのにすごい迫力で、表現力や技術が勉強になった。また津山でコンサートがあれば参加したい」。高野山西の自営業・筆保陽平さん(47)は「特にクラシックが心地よく、癒やされた。今後のさらなる活躍を期待したい」と話していた。
廣幡さんは津山西中学校、明誠学院高校から東京芸術大学と同大学院を修了。アカンサス音楽賞を受賞後、広島交響楽団を経て東京フィルハーモニー交響楽団に入団した。




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