松下奈緒さん主演の映画「風の奏の君へ」の全国公開(6月7日)に先駆け、岡山県美作市関係者約100人を招いた完成披露試写会が11日、同市湯郷の美作文化センタ―で開かれた。松下さんと、監督・脚本を務めた同市出身の大谷健太郎さんが駆け付け、映画の完成を祝った。
林野高校OBである大谷監督と小説家・あさのあつこさんの二人が、ふるさと美作を盛り上げようと10年前に構想。あさのさん著『透き通った風が吹いて』が原案で、茶葉屋を営む兄弟と、美作を訪れたピアニストの関係を描きながら、生と死を問う優しく切ない大人のラブスト―リ―。
美作市海田地区の茶畑や湯郷温泉、古町町並み保存地区、林野高校、難波邸や、津山市の津山城(鶴山公園)や津山文化センタ―などで撮影された。
上映前の挨拶で主演の松下さんは「ただいま、という感じです。主人公は激しい感情を抱えているけれど、美作の優しい風景が包み込んでくれています。全国の人たちに美作がこんなにも美しいところだということ伝えたいです」と話した。映画のために自身で書き下ろした楽曲について「あのメロディ―は美作に来たから書けました。ここにしかない景色、におい、光、風に心を動かされました」と語った。
大谷監督は「自分が育った町を多くの人に知ってもらいたいという思いが芽生えました。オ―プニングの泰平橋は高校時代の通学路。そこに松下さんがいることが不思議な感じがしました。松下さんが すべてのエネルギ―を注いでくれて完成しました」と話した。
続いて地元林野高校の生徒が、映画を通じた地域の活性化をテ―マにした研究成果を発表。松下さんと大谷監督は「この映画の中の美しい風景が今後も残っていくきっかけになるといいですね」などと講評した。
翌12日は津山市の津山文化センタ―で特別上映会と、ピアニスト役で出演した松下さんが映画のために書き下ろした楽曲のピアノ演奏がある。
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