岡山県久米郡美咲町は4日、地域おこし協力隊として着任した兵庫県西宮市出身の渡邊翔太さん(32)の委嘱状交付式を行った。薬剤師から転身し、同町で山の仕事に従事して3年後の起業を目指す。
倉敷市の病院などに勤務していた渡邊さんは、趣味の陶芸品について調べるうちに窯(かま)焚(だ)きに使うアカマツや森林の問題に興味を持ち、久米郡森林組合の林業体験にも参加して同協力隊に応募した。
同町の江与味製材で植林の仕事に従事する。主な活動として、山林が適切に管理される地域環境の保全と仕組み作り、山の仕事で起業する人材が輩出される環境づくりなどに取り組む。
美咲町役場で式があり、青野高陽町長が「危険も伴うと思うが、けがのないよう任務に当たってほしい」と激励し、委嘱状を手渡した。
渡邊さんは「林業を美咲町が誇る産業の一つにすることを目指す。林業をうまく回し、収入も得られる生涯の職にできるよう、いいサイクルの土台を作りたい」と決意を述べた。
同町の協力隊員は7人目(累計13人目)。