スポーツと観光を融合させた「スポーツツーリズム」を岡山県内で楽しむアメリカ・ハワイ州の外国人観光客らが10日、津山市の総合体育館で開かれた「津山武道学園」の「設立15周年記念武道祭」に参加し、日本古来の武術を観るなどして楽しんだ。
スポーツ庁が地方自治体などと連携して取り組む「スポーツツーリズムコンテンツ創出事業」の一つで、同武道学園の協力のもとに進めている「作州武道ツーリズム推進事業」の一環で来津。美作(作州)地域に残る武術をPRし、国内はもとよりインバウンドの促進も図る。今回はモニターとしてハワイ州剣道連盟と超禅寺(ホノルル)の関係者13人、国内の60、70代の10人が参加した。
開会式では大林秀行学園長が「武道の魅力を堪能してほしい」、ハワイ州剣道連盟の古谷幸正会長が「武道の聖地とも呼べる場所で開かれる祭典に参加できることを誉に思う」とあいさつ。
津山市弓道連盟と津山合気道連盟、津山市空手道連盟、津山柔道連盟による奉納演武などが行われた後、戦国時代に現美咲町に存在した一ノ瀬城の城主・竹内久盛が創始した「竹内流」が、伝統の技「捕手腰廻小具足」を披露。続いて超禅寺の老師らが剣術の形を見せ、会場を沸かせた。この後、津山剣道連盟とハワイ州剣道連盟の模範試合や合同稽古などが行われた。
超禅寺の門下生・ラウル・ベッタンコルトさん(48)とクリスティン・コルデロさん(43)は「棒術や小刀など、初めて見る武術に興味を持った。とてもおもしろかった」。モニターの谷口玄一郎さん(69)=福岡市=は「宮本武蔵ら剣豪に興味があり、ゆかりの地に訪れることができてよかった」と話していた。
谷口圭三市長は「海外でも剣道や弓道などに取り組む人も多い。”武道が盛んな美作地域”を伝えていき、地域振興につなげたい。また地元の人たちにも、伝統の武道に関して理解を深めてもらえたら」と語っている。